M&A・相続・事業承継のM&A DX

M&A DXの成功事例

M&A DX performances

会社の更なる発展を託したM&Aとは

譲渡会社 株式会社オールハーツ・カンパニー
サービス一覧 直営店のパン・製菓製造販売業等
エリア 愛知県名古屋市

譲受会社 ユニゾン・キャピタル株式会社
サービス一覧 プライベート・エクイティ・ファンドの管理・運営等
エリア 東京都千代田区

インタビュー

ハタチで街のパン屋さんからスタートした株式会社オールハーツ・カンパニーの田島慎也社長は、そこから20年も経たないうちに年商100億円・社員2千人を超える企業にまで育てました。主力事業であるパンブランド「ANTIQUE」等のオーガニックな成長だけではなく、なめらかプリンのPastel等へのM&Aにより成長を続けていましたが、会社の更なる発展のためにプライベート・エクイティ・ファンドを運営するユニゾン・キャピタル株式会社に株式を譲渡する決断をしました。 現在は株式会社DADACAの代表取締役社長である田島 慎也 氏のご決断の経緯と、その背景にある会社への思いを伺いました。 【インタビュアー:M&A DX 牧田彰俊】

ご回答頂いた方: 株式会社DADACA 代表取締役社長 田島 慎也 氏

田島氏はALL HEARTS COMPANY Inc. の創業者であり、「ねこねこ食パン」「マジカルチョコリング」など数々のヒット商品を開発してきました。2020年11月11日に設立された株式会社DADACA(ダダカ)は、グローバルチョコレートカンパニーとなることを目指しています。2021年1月1日に第一弾ブランドCACAOCAT(カカオキャット)をリリースし、白金台に旗艦店をオープンしました。

ハタチで開業し、20年経たないうちに年商100億円を超える食品会社へと成長

ハタチで開業し、20年経たないうちに年商100億円を超える食品会社へと成長

かなり早い創業ですが、その経緯をお聞かせ下さい

田島 慎也 氏(以下、田島社長):調理学校を卒業して、大阪のパン屋さんに就職しました。それまでは愛知にいたのですが、大阪はパンの激戦区ということもあり、修行の地に選びました。そこでは1年程働き、学べることは学んだと実感し、ハタチで地元に「パン厨房 アンティーク」を開業しました。その頃パン作りには自信がありましたが、今思うと経営的な部分は何もわかっていなかったので、若かったなと感じています。

その後かなり順調に会社を成長させてきた秘訣をお聞かせ下さい

田島社長:開業してすぐに数店舗を運営するまでになり、また「とろなまドーナツ」や「マジカルチョコリング」のヒットにより、2009年には年商も10億を超え、その頃は当時日本で一番売上の高いパン屋店舗もありました。しかし、そこから数年後「とろなまドーナツ」のブーム終了により初めて売上が対前年比減少に転じ、実は経営的に苦しい時期がありました。そこで始めて経営をきちんと学ばないといけないと考え、有名経営者の書籍や経営本を読み漁り、工場体制や販売体制の地道な見直しを行いました。

その後かなり順調に会社を成長させてきた秘訣をお聞かせ下さい

経営的に苦しい時期を乗り越え、また成長曲線を描くに至ったのは、どのような要因があったのでしょうか

田島社長:会社全体の見直しを行った結果、非常に筋肉質な体制に生まれ変わりました。次なる成長はM&Aで、自社にない要素を取り入れることかと思い、複数件のM&Aを実行しました。例えば、スイーツを学ぶために「PINEDE」を取得したり、高級路線の「baguetterabit」を取得し、最終的には再生型M&Aとなった「Pastel」を取得後初月から単月黒字に出来るまでに成長させました。

ものづくりを重視する企業風土を大事にしてくれるPEファンドへ

紆余曲折を経て成長を果たしてきましたが、M&Aを考え始めたのはいつ頃でしょうか

田島社長:2015年頃から更なる成長にはIPOが必要と考え準備を進めてきましたが、2019年に起こったコロナショックによりIPO審査がなかなか進まない状況が続きました。そんな中、とある会社からオールハーツ・カンパニーを譲渡してほしいというM&Aのオファーが到来しました。結論として、当該会社とのM&Aは不調に終わりましたが、元々IPOに対する思いがパンやスイーツに対する思いに比べて薄いという自分を再認識し、M&Aに心が傾いていきました。

どういった経緯で弊社をお知りになりましたか

田島社長:オールハーツが買手としてM&Aを推進するにあたり、オールハーツの本社もある名古屋に拠点を持ちスピーディーな対応が可能で、さらにはしっかりとした知識と経験を有するM&A会社を探していたところ、金融機関からM&A DXを紹介されました。成立した案件もあれば、残念ながらブレイクしてしまった案件もありましたが、真摯なサポートをしていただきました。私がIPOかM&Aで揺れ動いていた時も、親身に相談にのってもらいました。

PEファンドを買い手としたのは、どのような理由があったのでしょうか

田島社長:M&A DXの担当とも何度も議論し、オールハーツのカルチャーを維持したまま成長出来る相手先はどこか考えました。もちろん事業会社の傘下に入ることで、優秀なマネジメント層による会社の成長やクロスセル等のシナジー効果が期待出来ることはわかっていました。それでも、これまで培われたものづくりのクリエイティビリティーを重視するカルチャーを尊重し、かつよりロジカルな相手先ということでPEファンドを譲渡先とする方針にしました。

ユニゾン・キャピタルさんとM&Aをすることになった要因はどこでしょうか

田島社長:M&A DXの紹介で、何社かの相手先と面談をしました。皆様優秀な方々ばかりでしたが、ユニゾン・キャピタルさんと初めてお会いした時に、クリエイティブを支える社員の重要性を深く理解していただいていると感じました。自分が人生をかけて育てた会社と大切な社員を、ユニゾン・キャピタルさんになら安心して任せられると判断しました。

M&A後、シリアルアントレプレナー(連続起業家)へ

M&A後はどのように引継ぎを進めましたか

田島社長:M&A成立の日までに新社長を選定し、長らく右腕を務めた役員に除々にバトンタッチを行いました。そして、M&A成立の日には、新社長とユニゾン・キャピタルのはからいでセレモニー的な社員説明会を開催していただきました。そして、そこからは顧問という立場で会社へアドバイスすることになりましたが、自身の経験から旧オーナーがいつまでも幅を利かせるとM&A後うまくいかないと感じ限定的な関与としました。

M&A後はどのように引継ぎを進めましたか

現在はどのような活動を送られていますか

田島社長:世界を相手にした新たな事業を開始しました。それは日本初の高品質なチョコレートをグローバルに販売するビジネスです。会社名はDADACAで、ブランド名をCACAOCATといいます。さらにはシンガポールのチョコレート会社をM&Aで買収しました。オールハーツの際には20年近くかかった年商100億円を、今度は数年以内に達成するのが現在の目標です。

ご自身の体験も踏まえて、M&Aをお考えの方へメッセージをお願いします

田島社長:大事に育てた会社を譲渡するのは抵抗感があると思いますし、私もそうでした。しかし、自分の本当にやりたいことが何かに真摯に向き合い、その結果M&Aを選択することは会社にとってもプラスになる可能性があります。M&Aを買手として何件も実施した私でも不安な気持ちになったので、真摯に相談できるM&A会社を見付けて、良いM&Aをして下さい。

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